曲/くるりんご様



こんにちは 気だるい午後
軽やかに駆け上がる屋根の上
昔助けてくれた少女がふと、甦る

手を伸ばす届くはずのない空
視界にちらつく黒い影
人に化けた虚ろが
話し掛けてくる、黙れ

150号線、
排気ガスに埋もれる街
時間に追われ働く人たち

君らに憧れを持ったことは
一度もなかったが、
もう一度だけあの子に
会えるなら――

「綺麗になったね」なんて
美辞麗句
そんな言葉いらねぇよ
ラッピングされた罵声なら
もう、聞き飽きた

鋭い眼光の鷹のように
嘴(くちばし) 尖らせ
閃光の如く急降下
君のもとへ

こんばんは 明けの明星
閉じそうな瞼をこじ開けて
窓を開くと夜風がカーテンを、翻す

目を凝らして見つけた二等星
記憶の中、白猫が駆ける
そうだ僕は忘れていたんだ
あの子は、君だ

150号線、
通り過ぎるテールライト
人気ない細い路地を駆けてく
もう遠い昔、二度と会えないと思ってた
君の足音がかすかに聞こえる――

「可愛い」と言われても
義気凛然
当然、だって女の子
ヒラヒラだけの洋服なら
もう、着飽きた

賽は遥か空投げられた
君と僕 の間を分かつ
このルビコンの河を突破して、
君のもとへ!

「綺麗になったね」なんて
美辞麗句
そんな言葉いらねぇよ
ラッピングされた罵声なら
もう、聞き飽きた

鋭い眼光の鷹のように
嘴(くちばし) 尖らせ
閃光の如く急降下
君のもとへ

「可愛い」と言われても
義気凛然
当然、だって女の子
ヒラヒラだけの洋服なら
もう、脱ぎ捨てた

僕の前に広がる君と世界
午前4時半、日が昇る
光に照らされて神様みたいな
君へ手を伸ばす!